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牛肉がブランド牛になるまで

みなさんはブランド牛といえば、どのお肉を思い浮かべますか?三大和牛とも言われる「神戸牛」「松坂牛」「近江牛」でしょうか?「米沢牛」「飛騨牛」や「但馬牛」「前沢牛」なんかも聞いたことありますよね。これらのブランド牛がどうやってここまで上り詰めたのか、ちょっと歴史を振り返ってみましょう。

始まりは一頭の但馬牛からだった

日本の和牛は90%以上が黒毛和種だということは、以前にもお話しましたが、その黒毛和種がたった一頭の「但馬牛」から始まっていることを知っていましたか?
平成24年「全国和牛登録協会」の調査で、日本の黒毛和種の99.9%が兵庫県美方郡香美町の小代区で産まれた「田尻号」という一頭の牛から受け継がれていったものであると証明されたのです。

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但馬牛の歴史

その昔、但馬牛はもともと田んぼや畑を耕したり荷物を運んだりする「役牛」として利用されていました。そんな但馬牛の祖先は、鎌倉時代より前から存在していたことが明らかになっているほど、古くから私たちと共に暮らしていたのです。
日本では奈良時代から1000年以上肉食が禁じられていたので、但馬牛をはじめとする全国各地の地域牛は、食べられることなく「役牛」として重宝されていました。

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しかしその後、明治時代に入り肉食が解禁されてからのことです。文明開化とともに牛肉の需要が高まりまったのです。そこで、政府主導のもと全国各地で地域牛の育種改良が進められ、より肉質の良い牛を求めて様々な地域牛を掛けあわせた結果、和牛として現在にも続く「黒毛和種」「褐毛和種」「日本短角種」「無角和種」の4種が誕生したのです。そんな中で、但馬牛は育種改良を拒み続け、その地域のみで交配する「閉鎖育種」に専念しました。現在も純血の血統が続いているのは、この時代から守り抜いてきた結果なのです。

但馬牛がブランド牛のルーツ

そんな歴史深い「但馬牛」は、三大和牛と言われる「神戸牛」「松阪牛」などのルーツとなっています。実は、神戸牛、松阪牛といった牛は存在しないことをみなさんは知っていましたか?神戸牛や松坂牛とは、但馬牛が各地へ巣立ち、その土地の生産者に大切に肥育されて、厳しいブランド基準をクリアした牛だけに与えられる称号のようなものなのです。

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最高品質のブランド基準

ここまで和牛の歴史を振り返ってきましたが、そもそもどのような基準で和牛がブランド牛になるのか?その一つが、みなさんもよく耳にする「A5ランク」というランク付けなのです。これは、美味しさではなく、肉の品質を表したもの。このアルファベットと数字にはそれぞれ意味があり、アルファベットは「歩留等級」、数字は「肉質等級」を表しています。牛一頭からどれだけ肉が取れるかということを、決められた計算方法で算出し、多くの牛肉が取れるものから、A、B、Cの3段階で評価。「脂肪交雑」「肉の色沢」「肉の締まりおよびきめ」「脂肪の色沢と質」の4つそれぞれを1~5の等級で評価し、その最も低い等級で数字が決定されます。そうして導かれるランクがブランド牛となるための一つの基準となっているのです。

全国各地のブランド牛

全国には様々なブランド牛がありますが、そのどれもが独自に設けた厳しい基準をクリアしたものなのです。必ずしも、ランクだけにこだわっているわけではなく、厳選なる審査基準でブランド牛の称号が与えられています。
そんな、世界に誇れる日本のブランド牛は、まだみなさんも知らない種類が多く存在します。それは、また別の機会に。

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